2040年問題による高齢者への影響

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高齢者を取り巻く問題

高齢者同士で介護をする世帯が増える

老老介護・認認介護問題

高齢者が増え続けている一方で出生数は減少しています。この傾向は今後も続くことが予想されており、日本国内の高齢化率は高まり続けています。そのような中で高齢者を取り巻く問題として挙げられるのが「老老介護・認認介護問題」です。
老老介護とは介護をする側と介護を受ける側のどちらもが65歳以上の高齢者である状態を指します。少子高齢化の影響で核家族化が進んでおり、高齢者同士で介護をする世帯が増えています。老老介護は主に夫婦間で行われることが多いのですが、兄弟姉妹間や親子間で行われるケースも少なくありません。厚生労働省が発表した国民生活基礎調査によると、在宅介護をしている世帯の約7割が老老介護状態であることも判明しています。介護をする側も体力の落ちている状態なので、疲労により健康が損なわれるリスクがあります。
また、介護をする側と介護を受ける側の両方が認知症になる認認介護の世帯も増えています。軽度の認知症発症者が中度以上の認知症発症者を介護するケースが多いようですが、認知症は進行性の病気なのでいずれ介護をする側も中度以上の認知症になり、介護ができなくなる可能性があります。
老老介護や認認介護が増えた要因として挙げられるのが、医療の進歩による平均寿命の延伸です。平均寿命が延びた一方で健康寿命との差は大きくなり、介護を必要とする高齢者が増えることで老老介護・認認介護世帯も増えます。また、先述した通り核家族化が進んだことも要因として挙げられます。核家族世帯で子どもが結婚せず親と同居を続け、高齢になった子どもが親の介護をするケースも見受けられます。

老老介護の問題点

日常生活において必要とする部分を介助するだけでも、身体的に大きな負担がかかります。特に移動の介助には体力と筋力が必要で、身体機能が衰えている高齢者が行うのはリスクが高いです。在宅介護をする中で、介護をする側と介護を受ける側両方が疲弊し、共倒れしてしまう危険性があるのです。また、老老介護をしている人の中には「自分たちのことは自分たちだけで何とかする」という考えを持っている人も少なくありません。しかし、それが結果として社会的な孤立を招くリスクを高めてしまいます。

認認介護の問題点

高齢者が介護を必要とするようになった原因として最も多いのが認知症です。要介護1以上の認定を受けた人のうち、認知症を原因としているケースは全体の4分の1以上を占めます。もし、介護をする側も認知症になってしまうと、介護を受ける側の服薬管理や食事管理などが十分に行き届かなくなり、重大な事故につながるリスクが高まります。また、お金の管理ができなくなることで、生活そのものが成り立たなくなる可能性もあります。

介護現場は変わってきている?

介護人材の確保が急務 介護人材の確保が急務

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介護人材を確保するためには労働環境を整備する必要があります。ITの導入などによって現場の負担軽減や業務効率化を図ることが人材定着につながります。また、業界全体のイメージアップも求められます。

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