2040年問題の課題解消に向けて介護ロボットの開発が進んでいる

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介護ロボットに期待が寄せられている

最新技術を導入して介護をサポート

介護ロボットとは

2040年問題の影響により介護人材が不足することが懸念されていますが、そのような状況の中で現在注目を集めているのが介護ロボットです。介護ロボットとは介護が必要な人を補助し、介護者の負担を軽減することを目的として研究開発されたロボットです。2013年には政府が介護ロボットの開発・導入促進に戦略的に取り組むことを発表しています。開発をしているメーカーへの支援や現場への導入を促すための補助金制度など、あらゆる面から介護ロボットの開発・導入支援を進めています。
このように国の積極的な支援を受けて開発が進められていますが、一般的にはまだまだ浸透していないのが実情です。普及が遅れている理由はいくつかあり、まず挙げられるのは現段階で介護ロボットにできるのは単一作業のみという点です。要介護者の介護を全てカバーするためには、複数の介護ロボットを組み合わせて使用しなければなりません。また、介護ロボットが完全に介護スタッフの代替としての役割を担うまでには至っていません。介護ロボットをより普及させるためには、介護者や要介護者のニーズをメーカーに届け、本当に必要とされる機能は何かを明確にする必要があります。

メリットと課題

介護ロボットのメリットとしてまず挙げられるのが、介護者の身体的・精神的負担が大幅に軽減される点です。特に移動などの介助は身体的な負担が大きく、そういった動作を介護ロボットに任せることで身体的苦痛が軽減されます。要介護者にとっても、介護者に対する申し訳ないという気持ちがなくなります。また、介護ロボットの導入によって業務効率が上がることで人件費の削減や人手不足の解消につながり、介護スタッフにとって働きやすい環境となります。
課題としては導入までのコストが高い点が挙げられます。活用事例も少ないので、なかなか導入に踏み出せない事業者が多い状況です。また、導入をしたものの操作が難しく、慣れるまでに時間がかかってしまう可能性も考えられます。大型の介護ロボットの場合、保管スペースを確保しなければならない点もネックです。

介護ロボットの種類と具体例

「移乗介助機器」はパワーアシスト機能を備えた介護ロボットです。機器を装着することで介護者の身体的負担を軽減できます。こちらの「HAL」は介護者の腰に装着するタイプの介護ロボットです。

HAL

「移動支援機器」は要介護者が移動する際の歩行支援や、立つ・座るなどの動作をサポートするものです。こちらの「Hug L1」は在宅介護における移動支援を目的として開発された介護ロボットです。

Hug L1

「排せつ支援機器」は設置場所の調整と移動が可能なトイレです。こちらの「ベッドサイド水洗トイレ」はTOTOが開発する排せつ支援機器です。

ベッドサイド水洗トイレ

「見守り支援機器」は要介護者の見守りを目的に開発された介護ロボットです。徘徊による事故などを未然に防ぐことができます。こちらの「A.I.Viewlife」は広角IRセンサーを搭載した最新型の見守り支援機器です。

A.I.Viewlife

介護現場は変わってきている?

介護人材の確保が急務 介護人材の確保が急務

課題解決のためにすべきこと

介護人材を確保するためには労働環境を整備する必要があります。ITの導入などによって現場の負担軽減や業務効率化を図ることが人材定着につながります。また、業界全体のイメージアップも求められます。

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