2040年問題に備えて経済的な支援が求められる

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経済的な支援も必要

高齢者の貧困問題

団塊ジュニア世代

2040年には高齢者層に移行する団塊ジュニア世代の特徴としてまず挙げられるのが、貯蓄が少ないという点です。ある企業の調査によると、30代~40代の貯蓄についての質問で、貯金額が1万円~50万円という回答が全体の24.6%もありました。40代における平均貯金額は200万円以下ともいわれており、就職氷河期の影響が非常に大きいことが分かります。
非正規雇用の割合も多く、これはバブル崩壊やリーマンショックなどによる長期に渡る不景気の影響が要因として考えられます。学校卒業後に非正規雇用として勤務を開始し、その後正社員になれずにいる人が多くいます。非正規雇用の職種はスキルアップやキャリア形成につながらない仕事が多いという特徴もあります。このように年収が低い状態で年齢を重ね、経済的に不安定なまま高齢者になってしまうのです。

世代間の格差

現在日本では世代間の格差が問題になっています。団塊の世代は昭和の時代を企業で働きながら生き抜き、リタイア後は多くの退職金を得て、年金ももらっています。しかし、少子高齢化の影響で今後の財政は厳しくなっていくことが予想されています。そのため団塊ジュニア世代以降の層は大きな負担を強いられ、年金受給額も少なくなる可能性が高いです。

高齢貧困に陥るリスク

このままの状況が続けば、団塊ジュニア世代以降は高齢貧困になる恐れがあります。政府の調査によれば、2030年には年金の受給額が30%減少すると発表されています。現時点で年金を受け取り始めた世代も、徐々に水準が下がっていくでしょう。一方で、医療費や介護費など、社会保障制度全般の負担額は増えていきます。「収入が少ないにも関わらず支出は増えていく」状態になるのです。その結果生活が破綻し、多くの高齢者が路頭に迷うことになってしまいます。
そのため、これから高齢者に移行する層に向けた経済的な支援が必要となります。団塊ジュニア世代は1970年代前半(第2次ベビーブーム)に誕生しました。子どもの数が多く、いわゆる「詰め込み教育」と呼ばれる競争を前提とした厳しい教育を受けており、多くの困難を乗り越えてきています。しかし、努力をして進学したにも関わらずバブル崩壊による影響で就職難に陥りました。また、貯蓄の少なさや経済的な理由による未婚率・出生率の低さもこの世代の特徴です。これまで多くの苦労を強いられてきた団塊ジュニア世代がこの先も苦しむことがないよう、支援を待ち望む声が多く挙がっています。政府としても、現在30代~40代の若い世代の負担を減らす施策に踏み切る必要があるでしょう。

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